ネコのファラ物語
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ここはある町の小さなペンションの屋根裏部屋「ハァー何かいい小説になる話は無いかしら・・・」
屋根裏部屋に住んでいるレネードがいいました。そうレネードは小説家をやっていますが、全然売れて
ないのです。
でもその夜不思議なことが起こりました。『コンコンコン』と屋根から音がしました。
「なにかしら?」レネードが屋根に登りました。そうしたらどうでしょう、えんとつがピカピカと光っ
ているのです。
不思議に思ったレネードは、えんとつをさわってみました。何にも居ないようです。ちょっとなでてみ
ました。なんともありません、たたいてみました。するとどうでしょう!えんとつからなんと階段が出
てきたではありませんか。
ふつうなら危険だから入る人は少ないと思いますがレネードは小説のネタになるかもしれないと思った
ので入ってみることにしました。
 するとそこにはネコ耳をつけてる人々が、暮らしていました。レネードはどうしようかとかんがえま
した。

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そのときにレネードの目にとびこんできたのは『はじめての人間のおきゃく様インフォメーション』と
書いてあるかんばんです。レネードは(これでここのことがわかるわ)とほっとしました。そしてイン
フォメーションに入っていき、中にあったまどぐちへ行き、「はじめてなんですが・・・。」というと
、まどぐちの人が「では、まずいすにすわって下さい。」レネードはにもつをとなりにおき、いすにこ
しかけました。そしてまどぐちの人は一回せき払いをしてこういいました。「それでは、せつめいを始
めましょう。まずこの国に来た人間のお客様は、ねこをいっぴきかわなくてはなりません。そしてその
ねこを三年間育てます。
・・・そしてぴったり三年間そだてた時に・・・

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「・・・三年間きっちり育てると・・・ランダムなので分かりません(笑い)・・でも、何かがとどく
のです。」レネードは「何がとどくのですか?」と聞きました。「それがランダムなのです(笑い)。
」まど口の係の人が言いました。そして紙を出してレネードに住所をかくように言いました。レネード
は紙に『菜の花市、星の町、コスモス通り、ホワイトペンション屋根裏部屋、レネード・ジュリアーン
』と書き、まど口の人にわたしました。そして三分くらい待つと、まど口の人が「あなたにぴったりの
ネコが見つかりました。ロシアンブルーです。」まど口の人はそう言いながらカードに『ロシアンブル
ー』と書きました。そしてレネードにカードと地図をいっしょに渡し、キャットショップに行くように
言いました。

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レネードは地図をたよりにキャットショップの方にむかいました。でもひとつだけ大変なまちがいをし
てしまったのです。レネードは地図をさかさまに見ていたのです。ところが不思議なことに地図通りに
キャットショップがあったのです。(なぜ?)レネードはキャットショップに入り店員にカードをわた
しました。店員は「少々お待ち下さい」と言い奥の方に入っていき他の店員となにやらゴニョゴニョと
話し始めました。レネードが10分ほど待つとなにやらカゴを持った店員が出てき、カウンターに置く
とそれを指さしながら「これがあなたのネコです。」と言い紙袋を棚から出して「こちらの袋には手紙
やネコの必需品などが入っています、分からない事があったらこの番号に電話してください。」と説明
書をもらいました。レネードはそれを受け取りいったんペンションの屋根裏部屋に帰りました。 
  (なにやらわくわくの日々がはじまりそうですね)

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「ふーっ、つかれたわ、あ、忘れないうちにこのできごとをメモに書かないと・・・」レネードは小説
の《ねたメモ》に書いておきました。レネードはにもつをベットの部屋(屋根裏部屋を二つにカーテン
で仕切っているのです。)におき、子ねこと説明書の入った袋をテーブルの部屋(もちろんもう一つの
方の部屋です。)にもってきました。子ねこを自分のとなりにすわらせ説明書を読みました。
説明書の内容は『レネード様へ 毎日ねこのためにやること @ごはんは一日三回 Aブラッシングを
一日三回 Bおふろは一日一回 Cおやつは一日いっこ(袋の中にはおやつセットがはいってました。)
 Dさんぽは一日朝と夜 Eひるねは一日一時間(夜泣き防止のため) あとは自由にしてください。
 連絡があるときは通知を出します。分からないことがあったらでんわしてください。 キャットショ
ップねこねこねこ』(こんなにいっぱいスケジュールがあったら私の自由時間がなくなっちゃうじゃな
い(T_T) 

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レネードは説明書を読み終わると袋の中をのぞきました。すると、必需品どころかおやつの他には5セ
ンチくらいのりぼんがかかった箱がはいっているだけです。不思議に思ってりぼんをほどいてみている
と中から煙が・・・なんてことは無く何と、ネコベットなどのネコの生活必需品が次々と出てきました
。レネードは疑いながら箱を調べました。でも何もなかったのでレネードは出てきたネコ道具のセッテ
ィングを始めました。一番可愛いと思ったのは『ねこみみ』の穴の付いた帽子です。
その時にレネードは気づいたのです(この子の名前を早く決めないとだめじゃん)
 次の日レネードは良い名前を付けてあげたかったので図書館に行ってペットの名前全集を借りてきま
した。『一番人気の名前』の頁を開き一位と二位の頭文字をつなげて名前を作りました。その結果 一
位ファルル 二位ラロックということで 《ファラ》になりました。

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ファラが家に来てから一週間が経ちます。これまでの生活すけじゅーるは朝の5時半に起こされ(もち
ろんファラにです。)三十分でお弁当を作り(ファラはミルクです)出かける準備をします。行く先は
・・・地獄のジョギングです(別名ファラの朝の散歩 一時間です)。コースは桜通り→小川公園→ス
ーパーももむらで買い物→大杉公園→帰宅 お弁当は大杉公園で食べました。八時頃ファラがおとなし
い時間なのでレネードは今の内に小説を書きます。九時5分間ブラッシング。九時十分ファラと一時間
くらい遊んで十時頃にファラは屋根の上に昇ります。その訳は十時頃には友達になったトラがやってく
るからです。(本名トラ・ルルティー)二時間は平気で遊んでいつからその間に掃除や洗濯、お昼の準
備をします。お昼ご飯はトラもいっしょなのでファラとトラはどちらが先に食べ終わるかいつも競争し
ています。二時ファラとトラが昼寝をする時間です。三時レネードがおやつのしたくをします。三時半
ちょうど二人が起きてくるのでおやつタイムです。おやつは煮干しセットの中からくじをひいて決めて
います。でもファラとトラは二種類食べたいので二人で半分づつ分け合っています。四時トラが家に帰
ります。四時半夕ご飯まで自由時間です。

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ある日レネード宛に小包が届きました。箱をあけてみると手紙と小さな小瓶が入っていました。レネー
ドは手紙を読む前に思いました。(なんでまだ一年も経ってないのに小包が来るんだろう) 手紙を読
むと『レネード様へ 瓶の中に入っているドリンクをお飲み下さい、飲んで一分したら手紙の裏を見て
ください。インフォメーションより』レネードはすぐに瓶のふたをあけました。中にはレモン色の透き
通った水が入っていたのですぐに飲みました。そして一分たってから手紙の裏を見ました。すると 
『このドリンクのききめはネコの言葉が分かるようになるのです』と書いてありました。レネードはフ
ァラの言葉が分かるなんて・・・。思っただけでも心がうきうきしてきました。試しにファラと呼んで
みるとファラは走りながら「おやつー?おやつー?」と言いました。レネードは手紙のことは本当なん
だなと思いました。
レネードはファラに「今日は手作りおやつだからトラちゃんを呼んで来な」と言い、おやつのしたくを
はじめました。今日のおやつは《煮干しのホットケーキ》(なんだかまずそうだなぁ)トラが来たらト
ラは背中におみやげをしょってきました。その中にはマグロの切り身が入っていました。トラに「これ
どうしたの?」と聞くと「お父さんが魚屋から獲ってきたの」とにこやかに答えました。レネードはホ
ットケーキを出した後、マグロを冷蔵庫に入れました。するとファラが「変なあじがするー。」と言っ
たのでホットケーキを屋根にいた鳥にあげに行くと、カラスが3,4羽で1羽の文鳥をいじめているの
に気が付き水をかけてカラスを追い払い文鳥を家の中に入れてやりました。文鳥は羽をけがしていたの
で治るまで家で飼うことにしました。名前は『ぶんちゃん』に決定しました

                 (つづく)

                               じゅり